肩こり肩こりのメカニズム


  





 肩こりは、急性の筋肉の外傷に続発して起こる場合や心理的要素から起こる場合を除いて、ほとんどは姿勢による筋肉に対する負担の増加と運動不足から起こります。

 筋肉が損傷を受けると、炎症反応により局所的に循環不全がおき、筋肉のこわばりが起こります。ほとんどは自然に回復しますが、循環不全が慢性化する場合もあります。

 怒りや心配、不安などの心理状態は、自律神経の交感神経を刺激し、局所の循環不全を誘発して、痛みを起こす物質を作り出すと言われています。 (TMS理論)

 目をよく使う方に起こる肩こりの原因として、まぶたを上げる時に用いる筋の一つであるミュラー(ミューラー)筋の緊張があります。 ミュラー筋は自律神経(交感神経)の支配を受けているので、この筋の緊張が交感神経の緊張を招き、肩周辺の筋に毛細血管の収縮による局所循環不全を起こし緊張させます。ゆえに眼瞼下垂*の方の肩こりは手術による症状の改善により肩こりから開放される場合があります。

 また、最近ではテクノストレスと呼ぶ、PC使用に伴う障害であるマウス症候群などの頸肩腕障害によるひどい肩こりも多くなってきています。

 但し、急性の (今まで凝ることのなかった人が急に肩こりを感じだしたりした時)肩から背部にかけての痛みは循環器 (心臓)の疾患や呼吸器の疾患が疑われるので注意しましょう。

  * 眼瞼下垂−まぶたが上がりにくい状態で眼瞼挙筋や動眼神経の異常、まぶたの皮膚の弛み、眼球の異常等によって起こります。

 

肩こりになりやすい姿勢


 理想的な姿勢とは、重心をはさんで前後に生理的彎曲を持ち、その重心が耳の穴、肩関節、大腿骨大転子(太腿の骨のつけ根の出っ張り)、外果(外くるぶし)のやや前方を通る状態で、体の重みを骨格とその支持組織(靭帯など)、筋でバランスよく支える事が出来ます。  (図1)

理想的な立位の姿勢

正しい立位姿勢
と重心の位置
 一般に猫背の人に起こりやすいと言われていますが、逆に平背(背中の彎曲が少ない人)も起こりやすく、共通して言える事は、肩甲骨が左右に広がって肩関節が前方に移動している事です。

 本来重心上にあって、腕の重さを背骨で支える肩関節が前方に移動する事によって、肩の筋肉に腕をぶら下げる状態になり、体を起こしている間は常に重量ストレスをかけることになります。

 又、肩関節の移動に伴って頭部も前方に移動し、顎を突き出したような姿勢(クレーンネック)になります。
 そして、頸椎と胸椎の弯曲が一体化して頚椎のストレート化(ストレートネック)が起こり、頭部の重さを頸部の後面筋で支える状態になり、首の筋肉の緊張(首こり)を招きます。

 加えて、このような姿勢で長時間の作業を行うと(事務仕事やうつむいた状態での手作業など)、更に過負荷になり腰痛も起こす原因になります。

 長期にわたる不良姿勢は靭帯の短縮と関節可動域の減少を招いて、正常な姿勢に戻す事を困難にします。

姿勢による頸椎の変化    クレーンネック

姿勢による頸椎の変化とクレーンネック
クレーンネックやストレートネック、猫背の矯正は『正しい姿勢のくせ付け』および『猫背・ストレートネックの治し方(円背自己矯正法)』で


 下の図で正しい姿勢と肩こりになりやすい姿勢の説明を行っています。

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運動不足と筋肉

 肩こりが肩の筋肉の血行不良であるということは広く知られていますが、筋肉自身が血液の循環を促している事は一般的に知られていません。

 血液は筋を動かすエネルギーの元となる栄養素と酸素を供給して、老廃物と二酸化炭素を運び去ります。この血液の流れは、心臓の拍動によるものだけではなく筋肉のポンプ作用に頼るところが大きいのです。

 筋の収縮は縮むときに血液を搾り出し、伸びるときに血液を呼び込む作用があって、静脈血やリンパ液は循環をそれに頼っています。

 そのため、筋の凝り(緊張)はこの循環を阻害して、酸欠・老廃物の蓄積・栄養素の欠乏を起こさせ、さらにその凝りをより強固にするという悪循環に陥らせるのです。

 例としてマラソンを走った後、軽く流すように走るのは、急に走るのを止めると、この循環が行われなくなり筋が痙攣を起こすのを防ぐ為です。

 結果として筋の柔軟性を回復させる為に、運動は必要不可欠といえます。

 又、慢性の肩こりは、急性の筋傷害・慢性過負荷・冷やす事などによって起こる、 筋・筋膜痛症候群によるものが多いので、トリガーポイントに適切な処置を行ったうえ運動療法が必要です。




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