腰部椎間板ヘルニアによる腰痛の一般的な特徴は腰部の激しい痛みと下肢に放散し、咳、くしゃみで増強する痛みで、太もも後面からふくらはぎへの痛み(坐骨神経痛)下図 が約90%の方に見られると言われています。
また、体幹の傾きが見られる場合が多く、背骨のクランク状変形が起こり、下肢の知覚異常(患側下肢の皮膚の感覚が鈍くなる)が起こる事もあります。
MRIの画像診断でヘルニアが確認されていても鈍い痛みで下肢症状がない場合もありますが、その場合はむしろ椎間板症*の診断が妥当であるとの意見もあります。
激しい痛みは約1週間で緩和してきて、多くは4〜12週間で回復しますが、状態により回復にそれ以上の期間を必要とする場合もあります。
対処法としては、急性期の痛みの強い時期は安静、鎮痛剤の服用および患部の冷却を行ないます。その後痛みが自制内に治まればマッケンジー体操など運動療法を行います。
椎間板ヘルニアの97〜98%は手術なしで回復すると言われていますが、早期の回復を必要とされる方や排尿・排便障害など膀胱直腸障害を起こしている方には手術が行なわれます。
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