腰椎捻挫

 腰椎の椎間関節下図 で捻挫を起こすことによる腰痛で、いわゆる“ぎっくり腰”の多くがこのタイプの腰痛です。
 受傷した時に「ギクッ」とか「ピキッ」と表現される衝撃を腰に感じることがあり、それが名前の由来かもしれません。しかし、実際はぎっくり腰には定義はなく、医学的に言う急性腰痛の別名と解釈されています。
 腰痛捻挫は他の部位の捻挫同様、関節に強い力がかかった時などに靱帯や関節包という関節を包む結合組織を損傷して起こりますが、機能不全を起こしている関節や関節周囲の筋が緊張しているときは弱い力でも容易に起きる事があります。
 対処としては他の部位の捻挫同様、急性期(受傷後2、3日)は冷やすことです。腰という事で暖めてはいけません。特に受傷後すぐはシップ薬ではなく、保冷剤やアイスパックなど冷たいもので直に冷やして下さい。冷やす時間は痛みがある程度収まるまで患部の感覚がなくなる約10〜15分間ほどを1時間置きに行って下さい。身体を起こしている時の腰への負担を抑えるために簡易コルセットを用いる必要がある時もあります。
 回復には重症度によって2週間〜1ヶ月かかります。靱帯の損傷が激しい場合はそれ以上かかることもあります。
 急性期の疼く痛みが鎮まれば、機能不全を起こし慢性腰痛に移行しないように早期からリハビリテーションを行って下さい。最初は体重負荷を抑えた四つんばいのキャットエクササイズから行い、その後一般的な腰痛体操マッケンジー体操に代えて下さい。椎間関節













椎間関節症

 下部腰椎椎間関節下図 の過負荷による炎症が原因で起きる腰痛のことで、下部腰椎の曲げ伸ばしのし過ぎ(特に反り過ぎ)や不良姿勢や椎間板の変性(椎間板症)による椎間関節への負荷の増大が原因となります。
 症状は慢性の腰の付け根の重だるい痛みで、臀部から太ももの後に放散する痛みが出る場合も多々ありますが、膝の下まで放散することは滅多にありません。
 急性の場合は鋭い痛みや咳、くしゃみで響く痛みが出る場合もありますが、立てなくなるほどの痛みではありません。
 その他の所見としては腰の付け根の背骨(第4,5腰椎)の圧痛や腰を反らせた時の痛みが挙げられます。

X線写真の所見では、 “腰仙角 (第5腰椎椎体下面に引いた線と仙骨上面に引いた線の交わる角度) の増大下図 や “腰椎椎体下面に引いた線を下の椎骨や仙骨の関節突起が越えてしまう下図 などがあります。

 対処法としては姿勢の改善と腰の反りを少なくするように腰部の屈曲のエクササイズ及びストレッチ、そしてマッケンジー体操によって下部腰椎の過伸展を招く原因となる上部腰椎の伸展機能低下を解消することです。




椎間関節   椎間関節症1   椎間関節症2














関節機能低下による腰痛

 椎間関節の機能不全(可動性減少)は運動不足、長時間の同姿勢、加齢による椎間板、関節の変性(椎間板症*および腰椎変形性脊椎〈関節〉症*)、腰椎捻挫や椎間板損傷の後遺症、脊椎原発性の疾患(強直性脊椎炎* 、前縦靭帯骨化症* 等)などで起こります。
 関節機能低下による腰痛は、起床時や同じ姿勢を続けた後の動かし始めに痛み(start pain)が出ますが動かしているうちに痛みは治まってくるという特徴があります。
 また、前屈や後屈などの最終可動域(動かしきった時)でも痛みを感じます。

 対処法の基本は長い時間同じ姿勢をとらない様にする事と運動療法による関節機能回復ですが、関節の変性の著しい方や腰椎すべり症の方はマッケンジー体操のような伸展のエクササイズは控えるか、もしくは細心の注意をはらって行って下さい。

*椎間板症 : 
加齢による水分減少により椎間板の線維輪に亀裂が入る変性が起こった状態で腰部に鈍痛が出る状態。



*強直性脊椎炎 : 
 原因不明の背骨が強直(固まって融合する)状態になり、脊椎の可動性が減少する疾患で女性の3倍男性が多く、家族性で特定の遺伝子が発症原因であることが示唆されている。
*腰椎変形性脊椎〈関節〉症:
 変性により椎間板が薄くなって、関節の負荷が大きくなり関節の変形が起きたり、前・後縦靱帯が椎体から剥離する事によって椎体の変形が起こった状態。
 変形の機序はこちら

*前縦靭帯骨化症 : 
 原因不明の脊椎の前方を縦に走る、前縦靱帯が骨化する疾患で脊椎の可動性が減少する。



腰痛ベルト、コルセット

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